薬にはさまざまな形がありますが、大きな分類としては11種類の項目に分かれ、中分類、小分類と分かれています。なかでも今回は大きな分類として、わたしたちがよく使用している「経口投与する製剤」「口腔内に適用する製剤」「皮膚などに適用する製剤」にある、中分類のその詳細なども踏まえて、8種類の剤形を紹介します。

まずはじめに、経口投与する製剤として代表的な「錠剤」ですが、これはタブレットとしても良く出回っている物で、有効成分のほかに結合剤や崩壊財、滑沢剤などの添加剤を加えています。胃の中で溶けないで腸で溶けるようにしている腸溶剤と、口に含んで少しずつ溶かしていく徐放錠があります。

次に「カプセル剤」ですが、これはカプセル内に充填した製剤です。着色剤、保存剤などを加え、有効成分と添加剤を軽く成形して充填しています。「シロップ剤」といわれる製剤は、これは子ども向けの薬などによく使用されているもので、イチゴ味やチョコ味などとして糖類や甘味剤を含んだ粘液性のあるものです。

経口投与する製剤の経口液剤として、このほか甘味と酸味のある「リモナーデ剤」、甘味と芳香がありエタノールを含む「エリキシル剤」などがあります。エリキシル剤は、固形の有効成分にエタノール、精製水、着香剤、白糖などの甘味剤を加えて溶かしろ過して透明な液にしています。経口液剤は、液状や粘液のようなゲル状の製剤もあり、エリキシル剤やリモナーデ剤のほかに乳剤、懸濁剤もあります。

また、口腔内に適用する製剤として「トローチ剤」は、口腔内で徐々に溶解、崩壊させて口腔や咽頭などの局所に適用します。

次に、皮膚などに適用する製剤としては、おもに皮膚や爪に塗布する液状の製剤として、「リニメント剤」「ローション剤」などの外用液剤があります。リニメント剤は、皮膚にすりこみ使う液状のもので、ローション剤は有効成分を微細に溶解している外用液剤で育毛ローションなどに使用されています。このほか、「軟膏剤」は、半固形の製剤で有効成分を基剤に溶解、または分散させています。油脂性軟膏剤と水溶性軟膏剤があります。添付剤は、テープ剤とパップ剤があります。パップ剤は水を含んだ基剤を用いる添付剤です。

製剤の技術は、日々さまざまな分野で研究開発が行われていますので、新しい基剤もどんどん増えています。今は70種類以上もの剤形があり医薬品として規定されています。大きな項目は、経口投与する製剤、口腔内で適用する製剤、注射により投与する製剤、透析に用いる製剤、気管支・肺に適用する製剤、目、耳、鼻、直腸、膣、皮膚に使用する製剤の11種類があり、それぞれ適用部位、投与経路によって分類されています。